SMSはメールやLINEと違い、送受信できる文字数に制限があります。そのため、短文しかやりとりできないというイメージを持っている人も多いのではないでしょうか。
しかし、SMSの大手3大キャリアが送信できる文字数上限は、2019年9月10日から引き上がっており、最大全角670文字を送ることができます。
気を付けたいのは、キャリアやスマホ・携帯電話の機種によって送受信できる文字数が異なるという点です。
この記事では、SMSで送受信できる文字数の上限をメインに、SMS利用に関連したアプリとSMSを利用できないプランなどを詳しく解説します。
iPhone・AndroidのOS別に、機種のバージョンごとの文字数制限を解説します。古い機種を使っている場合は670文字を送れない可能性があるため、確認しましょう。。
iPhone5以降のiPhoneの場合、全角なら最大670文字、半角英数字なら最大1,530文字を送信できます。一方、iPhone4s以前の機種の場合は、全角で70文字、半角英数字で160文字までです。
ただし、iPhone5以降の機種であっても、ドコモ・au・ソフトバンクなどのキャリアバージョンが古い場合は、正常に動作しない可能性があります。最新バージョンにアップデートしてから送信を試しましょう。
なお、最大670文字に対応していない、70文字制限の機種に対して長文を送信した場合、相手の画面では約70文字ごとに分割して表示されます。これはAndroidスマホでも同様です。
Androidの機種にも、全角670文字まで送れる機種と、半角英数字70文字までしか送れない機種があります。
キャリアによって対応機種として表示されているものは異なりますが、目安としてはAndroid OS 4.4以上に対応している機種、あるいは2017年5月以降発売の機種が挙げられます。また、「+メッセージ」がインストールされていることも必要条件です。
ガラケー同士は全角670文字の送信に対応していません。全角なら最大70文字、半角英数字なら160文字が上限です。
長文を送信したい場合は、70文字を目安に分割で送る必要があります。また、スマホから送信された長文は、70文字を目安に分割して表示されます。
次に、ドコモ・au・ソフトバンクの3大キャリアと、格安SIMの文字数上限を解説します。
ドコモ・au・ソフトバンクから送信できるSMSの文字数は、いずれも全角最大670文字、半角英数字最大1,530文字です。
以前は70文字までだったり、同キャリア内での送受信のみ全角670文字対応だったりしました。しかし、2019年9月10日からは、3社ともに他のキャリアへの送受信でも全角670文字が使えるようになっています。
対応機種であればSMSでも長文を送れるため、LINEやメールと同じようにメッセージをやりとりできるでしょう。
ただし、全角670文字に対応しているのは、送信先のキャリアがドコモ・au・ソフトバンクのいずれかである場合です。それ以外の回線を利用している相手や海外に送信する場合は、全角70文字、半角英数字160字に制限されることがあります。
格安SIMも、ドコモ・au・ソフトバンクの電話回線を利用しているものについては、対応機種に限っていずれも全角670文字、半角英数字1,530文字を送受信できます。
ただし、キャリアでありながら格安SIMの特性も持っている、楽天モバイルは事情が異なります。自社回線である楽天回線エリアと、パートナー回線であるau回線エリアがありますが、SMSの文字数の上限はau回線エリアでも全角で70文字までです。
ただし、Rakuten Linkアプリを経由すれば、電話番号を利用して、最大1,300文字までのメッセージを送信できます。最大文字数はRakuten Link同士のやりとりの場合です。
Rakuten Linkアプリを使っていないユーザーにSMSを送信するときは、全角最大660文字に制限されます。
「+メッセージ」は、ドコモ・au・ソフトバンクが共通で提供しているアプリです。電話番号で送受信できる点はSMSと似ていますが、通話料金ではなくパケット通信料がかかるという違いがあります。
+メッセージアプリ同士での送受信なら、最大文字数は全角2,370文字です。長文を送れるだけでなく、写真や動画、ファイルも送信できます。
ただし、相手が+メッセージアプリを利用していない場合は、+メッセージではなくSMSとして、テキストのみ送受信されます。なお、+メッセージアプリ内でSMSを選択することも可能です。
ドコモ・au・ソフトバンクと、3大キャリアの回線を使用している格安SIMのSMSの料金は一律です。
受信は無料、送信は全角70文字までが3.3円(税込)、全角71~137字が6.6円(税込)、以降67文字ごとに3.3円(税込)が加算されます。料金表は次の通りです。
全角 | 半角英数字 | 1通あたりの料金 |
---|---|---|
1~70文字 | 1~160文字 | 3.3円(税込) |
71~134文字 | 161~306文字 | 6.6円(税込) |
135~201文字 | 307~459文字 | 9.9円(税込) |
202~268文字 | 460~612文字 | 13.2円(税込) |
269~335文字 | 613~765文字 | 16.5円(税込) |
336~402文字 | 766~918文字 | 19.8円(税込) |
403~469文字 | 919~1,071文字 | 23.1円(税込) |
470~536文字 | 1,072~1,224文字 | 26.4円(税込) |
537~603文字 | 1,225~1,377文字 | 29.7円(税込) |
604~670文字 | 1,378~1,530文字 | 33円(税込) |
SMSの料金の支払は、通話料と同じです。なお、通話定額オプションへの加入でSMS送信料も無料になることがあります。定額オプションの内容によって異なるため、ご自身の契約を確認してみましょう。
なお、楽天モバイルの場合は、通常のSMSで送信すると70文字までの1通あたり3.3円(税込)ですが、RakutenLINKアプリを利用すれば通話料としては無料です。その代わりに、パケット通信料がかかります。
また、SMSは海外への送信も可能です。
SMSでは件名の入力や画像や動画などのファイルを送信できないこと、格安SIMの場合はSMSを利用できないことがある点について説明します。
iPhoneならiMessage、Androidなら+メッセージアプリでSMSの送受信をしますが、このアプリ自体はSMS専用というわけではありません。
そのため、機能としては件名の入力や画像の添付が可能になっています。ただし、SMSはテキスト本文の送受信にしか対応していないため、件名と画像を送信できません。送信しようとしても、エラーが表示されます。
また、絵文字は送信できますが、絵文字1つが1文字と換算されるわけではありません。絵文字を含めて670文字の本文を記載しても、送信エラーが表示される可能性があります。
なお、相手のメールアドレスを登録している場合は、文字数オーバーでもエラー表示されず、自動でキャリアメール送信に切り替えられることがあります。ただし、その場合は通話料ではなくパケット通信料がかかります。
大手キャリアの場合は、全てのプランにSMSの利用が標準で付帯しているため、誰でもSMSを利用できます。
一方、格安SIMの場合はデータ通信のみの契約が可能であるため、通話なしプランを選択していると、電話番号を利用するSMSを利用できません。
SMSだけオプションで追加できることもあるので、契約している格安SIMの公式サイトやマイページで確認しましょう。
SMSで送受信できる文字数が全角で670文字、半角英数字で1,530文字まで増えていることがわかりました。しかし、ガラケーの場合やスマホの機種によっては対応しておらず、全角70文字、半角英数字で160文字までしか送受信できません。
相手の機種が670文字に対応していない場合は、70文字を目安に文章を区切ることで、伝わりやすくなる可能性があります。また、アプリ上では画像や動画などを添付できても、送信方法がSMSであれば送れない点にも注意が必要です。
SMSの文字数制限とテキストのみを送信できるという点を踏まえて、相手に内容を伝えやすいメッセージの作成を心がけましょう。