SMSとMMSはどちらもスマホなどで利用できるメッセージ機能ではありますが、それぞれ異なった特徴があります。
この記事では、SMSとMMSそれぞれの意味や特徴、明確な違いだけではなく、SMSとMMS以外のメッセージ機能や利用するときの注意点を紹介します。本ページを読むことで、SMSとMMSの違いについて理解でき、自分に合ったメッセージサービスを利用できるようになるでしょう。ぜひ最後までご覧ください。
SMSは「ショート・メッセージ・サービス(Short Message Service)」、MMSは「(Multimedia Messaging Service)」を意味しています。ここではまず、SMSとMMSの意味や特徴を詳しく見ていきましょう。
SMSは電話番号を利用するコミュニケーションサービスです。人にメールアドレスを聞いたり、メールアドレスを打ち込んだりする手間がかからないため、通常のメールよりも手軽に利用できます。
また、電話番号は各携帯の会社から審査を受けた上で発行されるため、不正取得が難しく、本人以外には使用できません。そのため、近年では「SMS認証」としてサービスへの会員登録や金融機関の手続きの際の本人確認として利用されることもあります。
MMSは一般的にはキャリアメールと呼ばれているものです。「@docomo.」〜や「@softbank.」〜のような各携帯電話会社が発行したメールアドレスを利用するため、通常のメールと大きな違いはありません。
SMSとMMSは、送信先や送信内容、料金体系などが異なります。ここでは、項目別に違いを見ていきましょう。
SMSの送信先・受信先は、スマホや携帯の電話番号です。
一方、MMSの場合は、次のようなキャリア個別のメールアドレスが送信先・受信先となります。
またスマホの場合、各キャリアによって使うアプリが異なります。
ただしauユーザー同士であれば、宛先を電話番号にしてMMSを利用することも可能です。
SMSの文字数・送信内容は、件名なしで全角70文字であり、画像やデータファイルは送信できません。ただし機種によっては、全角670文字までを上限文字数としています。
一方MMSは、件名ありで文字数制限なし、画像・動画などさまざまなデータを送信することが可能です。
SMSは、送信時に全角70文字までは3円かかりますが、受信時には費用がかかりません。また、同じキャリア同士であれば、送信料金がかからないケースもあります。
MMSの場合、モバイルデータ回線を利用するため、パケット通信料がかかります。ただし、パケット定額の適応内ならば、実質費用はかかりません。
格安SIMでは、SMSとMMSどちらも利用可能です。ただし、契約内容によって利用できるサービスは制限されます。
格安SIMで「データ専用SIM」を契約している場合は、SMSとMMSの両方とも利用できません。一方、「音声通話SIM」もしくは「SMS機能付きSIM」を契約すれば、SMSは利用できます。
また、MMSを利用できる格安SIMはワイモバイルやUQモバイルなど一部に限られています。格安SIMでSMSとMMSどちらも利用したい場合は、契約する会社と契約内容を吟味し、選ぶようにしましょう。
SMSとMMS以外にも、スマホで利用できるメッセージ機能があります。ここでは、Apple同士で利用できる「iMessage」とメッセージアプリ「+メッセージ」について詳しく見ていきましょう。
iMessageは、iPhoneやiPad、MacなどのApple製の端末同士でやり取りできるiOS独自のメッセージ機能です。Android端末では利用できませんが、文字数制限はなく、動画・画像などさまざまなデータを送受信できます。
また、顔認識システムと連動する「アニ文字」や「ミー文字」、LINEスタンプのような「ステッカー」なども送信でき、さまざまなコミュニケーションが実現可能です。さらにApple製の端末を複数所持している場合でも、それぞれから同一アカウントを使えるため、利用しやすいでしょう。
「+メッセージ」は、KDDI、NTTドコモ、ソフトバンク間で利用できるメッセージアプリです。SMSのように電話番号でメッセージをやり取りできるだけではなく、MMSのように、データなども送受信できます。
また、格安SIMでは利用できないというデメリットはあるものの、テキストは最大2,730文字になっていたり、スタンプや既読機能などもあったり、非常に便利なアプリです。音声メッセージやグループチャットなども利用できます。
SMSとMMSを利用するときの注意点は、SMSがMMSに自動で切り替わることがあったり、SMSのフィッシング詐欺が増えていたりすることです。
iPhoneを利用している場合、SMSがMMSに自動で切り替わることがあります。また、iMessageがSMSになっているというケースもあります。
なぜこうした現象が起こるのかというと、宛先の端末や送信内容、通信環境によって自動的に切り替わる仕組みになっているためです。Androidも同様に、契約している会社によっては、SMSからMMSに自動で切り替わります。
iPhoneの端末の設定でSMSに切り替わらないようにすることも可能です。手順は次の通りです。
「SMSで送信」をオフにすることで、SMSは送信されません。
SMSでは、なりすまして個人情報を盗もうとするフィッシング詐欺が増えているため、注意が必要です。
ショッピングサイトや金融機関になりすましたメッセージを送信し、本文のURLをクリックさせ偽装したサイトに誘導、そこで入力したID・パスワードなどの個人情報を盗もうとするのが、フィッシング詐欺です。こうしたSMSを利用したフィッシング詐欺は、スミッシングとも呼ばれています。
フィッシング対策協議会による「フィッシングレポート2020」では、2019年1月~12月までのフィッシングの報告数は55,787件となっており、2018年と比べると、おおよそ2.8倍も増加しています。そのため、SMSを利用しているスマホユーザーにとっては、無視できない問題です。
フィッシング詐欺を回避するために、不審なメッセージは無視したり、メッセージ内のURLを安易にタップしたりしないようにしましょう。
SMSは、ショート・メッセージ・サービスの略称であり、電話番号を利用するコミュニケーションサービスです。MMSは、マルチメディア・メッセージング・サービスのことであり、一般的にはキャリアメールと呼ばれています。
SMSとMMSは、送信先や送信内容、料金体系などが異なります。SMSは手軽に利用できるものの送信内容に制限があり、送信時に費用がかかります。MMSは、キャリア個別のメールアドレスが必要になるものの、画像・動画などさまざまなデータを送信でき、パケット定額の適応内ならば、実質費用はかかりません。
またスマホでは、SMSとMMS以外にも、Apple同士で利用できる「iMessage」やメッセージアプリ「+メッセージ」というメッセージ機能もあります。どちらも利用者は限定されてしまいますが、充実した機能を持ち、利用しやすいです。
SMSとMMSを利用するときは、それぞれが自動で切り替わることや、フィッシング詐欺に注意しましょう。宛先の端末や通信環境によって、SMSがMMSに自動で切り替わることがあります。SMSとMMSの違いを知り、正しく利用しましょう。